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DJ1 をレンズ交換式に改造する


ことの始まり

ある日、「ビデオ Salon」 1998/9 月号を読んでいると、「高画質 DV カメラで挑む マクロ撮影術」という記事を見つけた。 これはマルチメディア昆虫図鑑などで知られる、 昆虫写真家の海野和男さんが DV カメラを使って昆虫をマクロ撮影する際のテクニックを紹介しているものだが、そこには驚くべきものが紹介されていた。
そこには Panasonic(松下電器産業)の NV-DJ1(以下 DJ1)という DV カメラをレンズ交換式に改造しているものであった。ページ半分ほどの囲み記事で、簡単な改造方法と、DJ1 にニコンのマクロレンズや、内視鏡が装着されている写真が載っていた。 これはすごい!!

ふつうの DV カメラでは、オートフォーカスや電動ズーム機能は付いているものの、極端なマクロ撮影や、望遠撮影はできない。しかし、カメラ(一眼レフ)のレンズが使用できるのなら、魚眼レンズから、マイクロレンズを使ったクローズアップ撮影、 望遠や超望遠まで思いのままである。ふつうの撮影なら、あまり活躍する場は無いだろうが、趣味のバードウォッチングや、月の撮影などには、とんでもない威力を発揮しそうだ。

 
これが DJ1 の写真。3CCD で、
画質はきれい。すでに生産は
終了しており、中古相場では
10 万円以下。

 

実はレンズ交換型の DV カメラはあるにはあるのだ。それはキヤノン XL1 という、キヤノン曰く"ハイアマ・プロ用の高級デジタルビデオカメラ"で、レンズとアクセサリキットを含めると定価 ¥588,000- という簡単に手のでる代物では無い。 (ビデオ Salonでは、XL1は「家庭用ビデオカメラとしては最高峰」と紹介されていた。この差は何だろう?)
さらに XL1 の CCD ブロックは DJ1 と共通だとも書いてある。ということは DJ1 を改造してしまえば、XL1 と同じものがものすごく安上がりにできて、お金が節約できるのでは無いだろうか?(これを「節約」と呼ぶかどうかは意見の分かれるところだ。(笑))
確かに、 XL1 も優れた部分は多い。EOS 用のレンズが使え、オートフォーカスも可能だし、なにより改造なんて手間のかかる作業がいらないし、メーカー保証もある。お金に余裕のある方は、こちらを買った方がいいだろう。

 


こちらは DV カメラとして唯一
レンズ交換型のキヤノン XL1。 ¥588,000- と高価。

Studio99 では都合がいいことに、DJ1 も持っているし、ビデオにハマる前に、カメラにハマっていたから、ニコンのレンズも一式持っている。最近 DJ1 は使用頻度が落ちているし、たとえ壊しても今は中古価格もかなりこなれているから最悪買い直せばいいだろう。さらに本業(電子機器の組み立て)に使っている工具も揃っている。これは挑戦する価値がありそうだ。いや、私が挑戦せずに誰が挑戦するというのだろうか?(笑)

 

完成写真


DJ1 に Nikkor 105mm F2.8S を装着した状態。
 

違和感の無い接合部分。
 
  真ん中に CCD がのぞいている。本来 CCD が装着してあった位置よりずいぶん前に設置してある。(A Type を使用しているので、CCD 以外の部品が外から見えないようになっている。)  

 


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[スタジオ 99 ウェブページ] 1999.1.3 作成 (1999.1.13 カウンター追加)